「プライベートだ」
「えー、勝負しましょう、勝負して勝ったら――」
「えーい! 一年はさっさと座れ。今から部活動紹介だ。君、兎輝を連れて行ってくれ」
「はーい。行くよー、利香ー」
「わー、近衛先輩!」
はぐらかされ、2、3人殺せそうな眼光鋭い睨みで追い払われてしまう。そのまま、忍者の格好をした謎の集団の中へ吸い込まれて行く。
近衛先輩はもしや忍者の末裔なのだろうか。利香が首を傾げ不思議そうに推理していると、頭の旋毛をツンツンされる。
「利香、好きな人なんてプライベートなこと、そうそう友達でもない人には言えないよー」
「そっか。でも、近衛先輩みたいに頭の中が部活の事しかない人ってもしかしたらいっぱい居るのかも」
「恋愛禁止ってわけでもないのに、こんなに忙しいと実質禁止みたいなものなのかしらねー」
二人で、一年一組の列にこっそり戻りながらそんな言葉が零れてしまう。
まず好きになる機会がなければ、気持ちが発展して行かなのではないか。
なかなか恋愛とやらは難しい。



