三月ウサギは恋をする!?



「だって! あの人、近づくと睨まれて恐縮して話しかけられないもん」
「私たちは見てるだけで良いの。 でも応援しているって気持ちを伝えてってこと」
「喋り方も委縮しちゃうよねえ。素敵だけど」

好き勝手に言う依頼者たちに利香はとうとう爆発したようだった。

「見ているだけは相手に気づかれないならそれは応援じゃないです! それに近衛先輩は怖くない! 身長が高いから見下ろしちゃうだけだし、それに言っていることは真っ直ぐで正しい。見た目で怖がってるのに応援ってそれは違う」
「な、なによ! もう彼女気どり?」
「かっかっかっかのっ かのっっ彼女!?」

「おーい。女同士が喧嘩するぐらいならもう全員俺が彼女にしてやるから、その辺にしとけって」

 歩夢が有難くない提案を持ちかけると、利香以外が歩夢の元へ泣きついた。それを見て、利香は御立腹だ。初めて会った時の近衛も確かに女は怖がって逃げるから嫌いだと言っていた気がする。

部活も、サッカー部は黄色い声援が飛び交うけれど、野球部は鉄壁のマネージャー軍が応援を許さない。埒が明かない依頼の内容に二人が閉塞していたら、今度はヴァイオリンを持ったみなもが保健室へ入ってきた。

「先輩方、レスリング部ですわ」