「自分が起こした行動だから構わない。俺は何処でも眠れるし瞬時に起きられるしな」
その言葉にとうとう歩夢が、痛んでいる肩に軽くパンチをした。
「お前、本当に直球の鈍感」
「は?」
「利香が二人っきりで監視してくれるらしいぞ。今朝みたいに」
その言葉に、利香があたふたするのが見え、近衛の目元が優しく滲んだ。
「では、お願いするかな」
園芸部の温室の一番奥、薔薇が植えている中央に、ソファが置かれている。そこに、利香はふかふかの枕を置くと近衛に眠るように促した。
「美術部といい、園芸部と言い、部活に必要なのか」
「硬いこと言わないで眠って下さいよ」
「……眠気が吹っ飛んだ」
そう言いつつ、寝転ぶと天井を見上げる。天井からは直接日光が流れ込んで来て、お世辞にも寝やすいとは言い難かったが、近衛の口元は緩んでいた。
「お前と俺は少し似ている気がする」
「私と?」
このいい加減で人の気持ちもわからないおてんば娘と、聖人君子のような硬派で男らいい近衛が、似ている部分があるのだろうか。
「自分といつも勝負している。目標に立ち向かっている直向きなその心は、俺は――」
近衛は何か言おうとして止めた。いつまで待っても続きを喋らない近衛に、痺れを切らして話しかける。
「こんな時に聞くのはあれですが、菫先輩のこととか」
「ああ、菫もレオも大事な家族の様なものだ」
「じゃあ、レオ先輩と菫先輩が付き合っても胸が痛まないの?」



