「冗談なのに何熱くなってんの? だっさ」
「お前に利香を馬鹿にされたくない。利香は俺が出来なかったことを懸命に頑張っているではないか!」
「なんでお前は出来なかったって既に諦めてんの」
輝夜が怯んでも、歩夢は止めなかった。
「何でお前が諦めて、利香が頑張ってるんだって聞いてるんだよ!」
普段から大きなん声をだなさいやる気もない歩夢が、誰かの為に大声をあげる。その姿に輝夜は呆然としていた。
「やめて! お兄ちゃんに乱暴しないでよ!」
総務部のドアから飛び込んで来た利香が、歩夢を突き飛ばそうとした。
だが、壁に押し付けられているのは、歩夢の方だったので状況が分からずうろたえる。
「な、何してるの?」
落ちていた眼鏡を取り合えず兄に付けてあげながらも、利香もおどろく様を隠せない。
「利香、お、おまえ、お前っ」
輝夜は歩夢を突き飛ばすと、利香のその様子に真っ青になった。胸にリボンをしていなかったのだ。一年生は赤いリボンのはずが、ジャケットからは白いブラウスが顔を出している。
「お前、それ」
「それ?」
「リボン……」
「あっ」
慌てて胸を隠したけれど、利香の真っ赤な顔は隠せない。
「お、おおおおおお前、いいいい、いつからだ。いいつから近衛部長ととととと、お、おおおお付き合いななななんて」



