朝部の終わりの予鈴がなったが、近衛は起きなかった。その為に利香に揺さぶられ起きた近衛は、一瞬、ばつが悪そうに頬を染めた。こんな表情もできるのか。
「いいえ。近衛先輩、もっと休んだ方が良いですよ」
「睡眠は十分に取っている。食事もだ。どちらも疎かにはしてないのだが――」
「でもね、多分、いつもより倍、気を張ってるし倍、頑張っちゃってるから。だから休みも増やさなきゃ、近衛先輩の心が悲鳴あげちゃいますよ」
「兎輝……」
「肩、菫先輩に聞きました」
「っ。あいつ。これは大したことではないのだが、一応の報告のつもりだった」
「あはは。先輩らしいね」
強がる近衛に、利香は笑う。
「私、近衛先輩に負けないぐらいもっともっと頑張ります! 一緒に頑張りましょうね!」
卑屈にならず、とりあえず目の前の目標をクリアしようと――近衛の真っ直ぐな瞳を見て利香は決意した。
そのまま利香は自分の教室へ走って戻って行く。それを近衛は痛めた肩を触りながら黙って見ていた。近衛に頑張れや応援すると声をかけてくれる者たちは大勢いた。それが時にプレッシャーになろうとも、それが時に大きな荷物になろうとも、近衛はそれすらも感謝し前へ進んで来た。
だが、利香は今、近衛に一緒に頑張ろうと同じ目線に立とうとした。その心意気が近衛の心を揺らす。
「いいえ。近衛先輩、もっと休んだ方が良いですよ」
「睡眠は十分に取っている。食事もだ。どちらも疎かにはしてないのだが――」
「でもね、多分、いつもより倍、気を張ってるし倍、頑張っちゃってるから。だから休みも増やさなきゃ、近衛先輩の心が悲鳴あげちゃいますよ」
「兎輝……」
「肩、菫先輩に聞きました」
「っ。あいつ。これは大したことではないのだが、一応の報告のつもりだった」
「あはは。先輩らしいね」
強がる近衛に、利香は笑う。
「私、近衛先輩に負けないぐらいもっともっと頑張ります! 一緒に頑張りましょうね!」
卑屈にならず、とりあえず目の前の目標をクリアしようと――近衛の真っ直ぐな瞳を見て利香は決意した。
そのまま利香は自分の教室へ走って戻って行く。それを近衛は痛めた肩を触りながら黙って見ていた。近衛に頑張れや応援すると声をかけてくれる者たちは大勢いた。それが時にプレッシャーになろうとも、それが時に大きな荷物になろうとも、近衛はそれすらも感謝し前へ進んで来た。
だが、利香は今、近衛に一緒に頑張ろうと同じ目線に立とうとした。その心意気が近衛の心を揺らす。



