菫と玲音の噂は、瞬く間に学校中に広がって行った。
「利香、いい加減に部室ぐらい掃除しないか!」
菫たちのカップルを成立させてから、利香たちの部に、交流会を頼む部活が相次ぎ、バタバタと忙しい日々が続いていた。ある日の放課後、部室として貰い受けた生徒会室の倉庫が綺麗に片付き、壁には花の絵まで飾られて仁王立ちで輝夜が立っていた。
「わあ、綺麗! お兄ちゃんありがとう」
「忙しいのは分かるが、部屋の乱れは心の乱れだぞ」
「忙しいと心の余裕が見えなくなるってことだよね。気を付けよう」
パソコンを立ち上げようとしたら、部屋にあるはずのないマウスパットさえ用意されていた。几帳面な輝夜にしてみては、ノートや教科書をマウスパットの代わりにしている利香を信じられなかったであろう。
「ごほん。最近、部活の大会記録がとてもいい」
「わあ! 本当?」
「あ あ。レスリング部との腕相撲大会で歩夢が勝ったのも良い薬になったのだろう。素人の勝負に負けたくないが勝負を受けないのも逃げたと思われる。部活生たちはさらに練習に身を入れ、そして交流会で自分たちの部を紹介することで、自分たちの部がどれほど素晴らしいかを改めて実感する」
良いことばかりなのはこの学園が恋愛関係に封鎖過ぎたことも原因だが、利香たちの頑張りも大きかった。
ここ数週間は、勝負に公務部の仕事にで大忙しで、利香は一日中走り回っている。
野球部の選抜が始まって、四回戦目が終わった。シード校の月華学園は有利に勝ち進めており、残りは前回ライバル校だった月詠学園との勝負を残すのみ。音楽部は練習が活発になり、みなもはそちらの方へ公務部よりも優先している。
公務部は、寄付金の集計やらチア部の練習補助やらで大忙しだ。
野球部の取材も、高校野球の規模を超える量で毎日連絡が来る。
これは、近衛の将来がかかっているので無碍には出来ないと、慎重に引き受けているが、練習中はピリピリしており、公務部と先生たちで監視することが多い。
近衛は取材などを一切拒否しているので間を持つのも骨が折れている。そして月詠学園に勝てば甲子園と言うこの状況で、次々と振りかかるアクシデントに輝夜はとうとう胃薬に手を伸ばした。
「響也が左肩を痛めたらしいの」
その話は、忙しかった利香には全く寝耳に水だった。
「嘘!」
「……レオとレギュラーの皆にしか言ってないそうなんだけど、生徒会長にも一応報告したら胃薬飲みだしたとか」
「そ、そうなんですね」
「利香、いい加減に部室ぐらい掃除しないか!」
菫たちのカップルを成立させてから、利香たちの部に、交流会を頼む部活が相次ぎ、バタバタと忙しい日々が続いていた。ある日の放課後、部室として貰い受けた生徒会室の倉庫が綺麗に片付き、壁には花の絵まで飾られて仁王立ちで輝夜が立っていた。
「わあ、綺麗! お兄ちゃんありがとう」
「忙しいのは分かるが、部屋の乱れは心の乱れだぞ」
「忙しいと心の余裕が見えなくなるってことだよね。気を付けよう」
パソコンを立ち上げようとしたら、部屋にあるはずのないマウスパットさえ用意されていた。几帳面な輝夜にしてみては、ノートや教科書をマウスパットの代わりにしている利香を信じられなかったであろう。
「ごほん。最近、部活の大会記録がとてもいい」
「わあ! 本当?」
「あ あ。レスリング部との腕相撲大会で歩夢が勝ったのも良い薬になったのだろう。素人の勝負に負けたくないが勝負を受けないのも逃げたと思われる。部活生たちはさらに練習に身を入れ、そして交流会で自分たちの部を紹介することで、自分たちの部がどれほど素晴らしいかを改めて実感する」
良いことばかりなのはこの学園が恋愛関係に封鎖過ぎたことも原因だが、利香たちの頑張りも大きかった。
ここ数週間は、勝負に公務部の仕事にで大忙しで、利香は一日中走り回っている。
野球部の選抜が始まって、四回戦目が終わった。シード校の月華学園は有利に勝ち進めており、残りは前回ライバル校だった月詠学園との勝負を残すのみ。音楽部は練習が活発になり、みなもはそちらの方へ公務部よりも優先している。
公務部は、寄付金の集計やらチア部の練習補助やらで大忙しだ。
野球部の取材も、高校野球の規模を超える量で毎日連絡が来る。
これは、近衛の将来がかかっているので無碍には出来ないと、慎重に引き受けているが、練習中はピリピリしており、公務部と先生たちで監視することが多い。
近衛は取材などを一切拒否しているので間を持つのも骨が折れている。そして月詠学園に勝てば甲子園と言うこの状況で、次々と振りかかるアクシデントに輝夜はとうとう胃薬に手を伸ばした。
「響也が左肩を痛めたらしいの」
その話は、忙しかった利香には全く寝耳に水だった。
「嘘!」
「……レオとレギュラーの皆にしか言ってないそうなんだけど、生徒会長にも一応報告したら胃薬飲みだしたとか」
「そ、そうなんですね」



