美音は、悲痛な声で叫ぶ千昌の頭をぽんぽんと撫でる。優しすぎる幼馴染の騎士を、撫でる。
「そうだね。でもきっと利香ちゃんなら生徒会長を助けてくれるよ。あの子ならきっと何とかしてくれると思う」
「利香ちゃんね、あの子は本当に――危なっかしいけど天才ルーキーですよね」
「うん。いつの間にか彼女のペースになってる。菫ちゃんもきっとそれを感じてたんだろうね」「それに彼女には、すっごい番犬がいるから安心だしね」
「番犬って?」
「歩夢です。幼馴染だから利香ちゃんを守っているだけのようには見えませんからね」
「……王子様じゃなくて番犬なんだ」
歩夢が、何だかんだ文句を言いつつも利香の回りにいるのを、美音も何度も目撃している。去年、歩夢と賢次郎と、もう一人芸能人の林檎は悪目立ちしていて近寄りがたい雰囲気だったが今は確かに空気が和らいでいるようだ。
「王子になるかならないかは、歩夢と鈍感な利香ちゃんの気持ち次第だよね」
「そっか。早く二人に頑張って欲しいな」
「美音?」
「私たちが同じ高校で過ごせるのはもう一年切っちゃったんだもん。それまでには、千昌ちゃんと私の関係も前進していて欲しいな」
「……そうですね。もう一年もないのですね。美音は留学しちゃうかもしれないし」
美音の才能をもっと生かせるのは海外かもしれないと、理事長が言っていたのを知っている。美音も千昌も、心がざわざわするのが感じる。
「利香ちゃんに次の勝負どこにするのか聞いてこよう。全部活を網羅しちゃうのかな。楽しみだね」
「そうですね。菫さんの謎を解いたのか利香ちゃんですからね」
千昌は、美音から眼鏡を奪うとまたいつものように冷静な千昌に戻る。嘘で身を隠した。美音もそれを寂しげに見ながらも、応援する。噂話で学校を掻きまわした菫の心の薔薇には、今やっと刺が全て抜け落ちていた。
後は、今までその刺で怪我をした人達の傷が癒えていくのを信じるしかなかった。
「そうだね。でもきっと利香ちゃんなら生徒会長を助けてくれるよ。あの子ならきっと何とかしてくれると思う」
「利香ちゃんね、あの子は本当に――危なっかしいけど天才ルーキーですよね」
「うん。いつの間にか彼女のペースになってる。菫ちゃんもきっとそれを感じてたんだろうね」「それに彼女には、すっごい番犬がいるから安心だしね」
「番犬って?」
「歩夢です。幼馴染だから利香ちゃんを守っているだけのようには見えませんからね」
「……王子様じゃなくて番犬なんだ」
歩夢が、何だかんだ文句を言いつつも利香の回りにいるのを、美音も何度も目撃している。去年、歩夢と賢次郎と、もう一人芸能人の林檎は悪目立ちしていて近寄りがたい雰囲気だったが今は確かに空気が和らいでいるようだ。
「王子になるかならないかは、歩夢と鈍感な利香ちゃんの気持ち次第だよね」
「そっか。早く二人に頑張って欲しいな」
「美音?」
「私たちが同じ高校で過ごせるのはもう一年切っちゃったんだもん。それまでには、千昌ちゃんと私の関係も前進していて欲しいな」
「……そうですね。もう一年もないのですね。美音は留学しちゃうかもしれないし」
美音の才能をもっと生かせるのは海外かもしれないと、理事長が言っていたのを知っている。美音も千昌も、心がざわざわするのが感じる。
「利香ちゃんに次の勝負どこにするのか聞いてこよう。全部活を網羅しちゃうのかな。楽しみだね」
「そうですね。菫さんの謎を解いたのか利香ちゃんですからね」
千昌は、美音から眼鏡を奪うとまたいつものように冷静な千昌に戻る。嘘で身を隠した。美音もそれを寂しげに見ながらも、応援する。噂話で学校を掻きまわした菫の心の薔薇には、今やっと刺が全て抜け落ちていた。
後は、今までその刺で怪我をした人達の傷が癒えていくのを信じるしかなかった。



