三月ウサギは恋をする!?


歩夢は振り返ると、不機嫌な顔で利香を見た。


「分かる。恋ってのは、もっと取っ散らかって面倒なんだよ。自分の部屋がめちゃくちゃに取っ散らかってる感じ。何処に何があるのか分からない奴もいれば、どんなにめちゃくちゃで汚い部屋でも、何処に何が散らばってるのか把握できる奴もいる。自分の小さな部屋で暴れ足りなくなるぐらい成長したら――誰かを攻撃する前に本人に伝えろって事なんだろうな」



誰かを攻撃する前に、本人へ伝える。

歩夢は簡単にそう言ってのけたが、利香にはその言葉の重さ、深さがまだ良く分かっていなかった。



「そうか。恋とは時に他人へ攻撃的になるってことか」


「お前だって愛しの兄ちゃんに恋人が出来たら嫉妬しねーの?」

「そんな奇跡が起きたら、……嬉しいと思う」


「っち。そうだったな」

バツが悪そうに言葉を濁すと、空を見上げた。


「あーあ。年上の彼女が出来そうだったのになあ」


一番、ぐるぐるした感情が胸の中にある癖に、歩夢はそんな嘘を吐く。