「……利香、俺を馬鹿にしてるのか」
「体育館の高さは、原則9M以上必要。まず届かなかったら格好悪いよね?」
「もっと、サーブのカットとかさ、格好良い奴しよーぜ。新入生の可愛い子ちゃんたちが俺の勇姿を見るわけなんだから」
「……本当に歩夢くんは――女の子のことしか考えてないんだから」
「まあ、見ててよ。先行で私がするからさ」
きょろきょろとあたりを見渡すと、心配そうな近衛先輩が見ている。
「先輩、私の手に思いっきりボール投げてくれませんか」
「……分かった」
本当はアタックをカットする瞬間が一番飛ぶのだが、利香は覚悟を決めて構えた。
そして近衛の遠慮無しのボールをビリビリと受け止めながら思いきり飛び跳ねる。
ボールは、高く高くあがり、天井に届くと思いっきり天井を振動させた。
ボールの後に、ポトリと落ちてきたバトミントンの羽を手に持つと、
生徒会長と千昌が思いっきり拍手してくれた。



