「好き。……好きなの。好き。響也も好きだけど、恋人になりたいって思ったのはレオだけ」
顔を覆い尽くして泣き崩れると、菫は二人を見た。
竹鶏と美音を。
「華菜夜は綺麗で、性格だった良い。素敵な恋人が出来れば良いなって思ってただけ。なのに、――私の話を聞いてくれないレオが貴方の話を聞いていたのが悔しかった。ごめんなさい。ごめんなさい。嘘を吐かせてごめんなさい」
ボロボロと泣く。
胸につっかえていた後悔が、漸く涙によって落とされていく。
「美音なら、響也が守ってあげたくなるような健気で直向きで、きっと響也と上手く行くって思ってあの噂を流したの。響也に恋人が出来れば、レオがこっちを見てくれるって思った。本当にごめんなさい」
純粋な恋心が、捩れて。
純粋ゆえに、誰かを攻撃することでしか自分の傷を守れない。
臆病になっていた菫は、それでも変わろうとしていた。
変わろうと、利香が部活を結成した時に手を伸ばした、のに。
その気持ちを踏みにじってしまったのは、利香の人の気持ちを分からない鈍感な部分だった。



