利香も睨みつける。
竹鶏の涙も、美音の涙も――菫の涙も無駄にしない為に。
玲音が、菫の肩に手を置いて支える。
「響也に、雪の日に助けてもらってから、噂が流れたの。冷たい雪の中、川に飛び込んでまで助けてくれるなんて、響也は私の事が好きなんだって。ドラマチックだものね。でも、響也は違うの。響也は情が厚いだけ。バスの中に人が取り残されていたら、私じゃなくても助けた。私じゃなくてもいいの。なのに――」
足の手術を終え、切断は免れたものの、歩くことが出来なくなったと知り絶望の中、一人泣いていた。
そこに、息を切らして現れたのは玲音だ。
取り乱して泣く菫は、誰にも会いたくないと泣いていた。
それに従い、近衛は病室の外で待っているだけだったのを、皆の制止を振り払い、中へ入ったのは玲音だけだった。
『菫!』
竹鶏の涙も、美音の涙も――菫の涙も無駄にしない為に。
玲音が、菫の肩に手を置いて支える。
「響也に、雪の日に助けてもらってから、噂が流れたの。冷たい雪の中、川に飛び込んでまで助けてくれるなんて、響也は私の事が好きなんだって。ドラマチックだものね。でも、響也は違うの。響也は情が厚いだけ。バスの中に人が取り残されていたら、私じゃなくても助けた。私じゃなくてもいいの。なのに――」
足の手術を終え、切断は免れたものの、歩くことが出来なくなったと知り絶望の中、一人泣いていた。
そこに、息を切らして現れたのは玲音だ。
取り乱して泣く菫は、誰にも会いたくないと泣いていた。
それに従い、近衛は病室の外で待っているだけだったのを、皆の制止を振り払い、中へ入ったのは玲音だけだった。
『菫!』



