利香が皆とハイタッチする中、玲音だけは菫に近づいてくる。
項垂れ放心状態の菫は、近づいてくる玲音を見て顔を歪める。
「どうして教えてくれなかったの。……私だってレオに教えて欲しかったのに」
「菫の方が、俺と二人になると……辛そうな顔をしてた」
そう言い返すと、菫の目に涙が溜まる。
「嘘つき。嘘。嘘だわ」
「菫?」
「嘘。……嘘」
両手で目を覆い隠して泣く菫に、玲音も悲痛な顔をする。
「レオが勝手に誤解したのに、なのに話を聞いてくれなかった。何度も何度も言おうとしたのに、玲音は聞いてくれなかった。私から逃げた」
「どういうこと?」
「響也が私を助けたから、私たちが両思いだって決めつけて話を聞いてくらなかったのは、レオだわ!」
とうとう声を上げて泣きだした菫に、ハイタッチしていた利香たちも手を下ろす。
「どう言う事ですか。菫先輩」
利香が近づくと、菫は利香を睨みつけた。
「貴方みたいな、人の気持ちも分からず、馬鹿みたいな部を作ってる子供に私の気持ちが分かるものですか!」



