玲音は歩夢を睨みながらも、一番遠い席に座った。
「では用意、始め」
美音と竹鶏、巴が利香たちの回りに集まると、菫はぽつんと一人になった。
だが菫は凛とした態度を崩さす、シャーペンを走らせる音が響く。
そこで、玲音がゆるく軽い感じで椅子にもたれながら笑う。
「俺、全部書ける」
「え」
「花言葉を菫に教えたの、俺だからね」
にやりと笑うと、利香に言う。
「だけど、一回しか言わないから、覚えて書いていって」
「レオ先輩」
「俺は――近衛と違って自分でなんとかしたかったんだけどね、こうなっちゃったらもう腹をくくるよ」
玲音の言葉には、確かな勝算がある様子だった。
薔薇の花ことばは調べたらきりが無く、此方の花ことばの辞書に載っていても此方には載っていないなんて言葉があり、それを足して行くと色別でも何十と出てくる。
それを足して足して、調べ上げたメモ用紙は、綾小路先生が持っているプリント三枚にぎっしり書かれていた。



