『どういうことだよ! お前が噂を三年に流してたのかよ!』
巴が問い詰めると、菫は頷いた。
それは、美音や竹鶏、他の陸上部が居る中で。
『お前の友達だろ! 友達が嘘をついてまでもみ消そうとしていたのは、お前がレオを好きだからだろ!』
『レオのことを貴方が口出さないで。』
菫は淡々と言うと、美音と竹鶏を見た。
『私は嘘を吐くことを頼んでないし。陸上部の先輩方は勝手に同情して騒いで噂を流しただけよ。私は何も誰にも頼んでない。そうでしょ?』
完璧に隙の無い笑顔でそう言うと、菫は目を閉じた。
『何を騒いでいるんですか?』
駆けつけた綾小路先生と陸上部の先生の前で、汐らしく泣いて見せるほどに。
『私の足を皆が同情して憐れむの。私はただ――同じ。貴方達と同じなのに。それが辛いわ』
『てめえ! 謝れよ!』
『巴ちゃん』
『巴っ』
先生の前で菫を非難しても内容が内容だけに不利だった。
陸上部は、結局菫が自主退部したことになり、美音が泣くのでこの話を広めないように竹鶏が陸上部に頼んだ。
菫がどうしてこんな事をしたのかは、――誰一人分からないまま三年を終えようとしていた。



