「私もよ。上がり症だからついつい大袈裟に演技っぽく喋ってたら、同じく超庶民だって菫が気持ちを汲んでくれたから。だから三人で一緒に居るのは凄く楽しかったわ」
「今もそのオーバーリアクション可愛いけどね」
すかさず賢次郎が竹鶏の言葉にチャチャを入れると、竹鶏は顔を真っ赤にさせた。
だが、玲音だけは無言で薔薇を眺めていた。
『菫はね、車椅子を押させるのって近衛とレオだけなのよ。で、同情されたくなくて人一倍気を這ってる』
それを利香へ教えてくれたのは――巴だった。
「遅れてすいませーん。授業に遅刻した罰でプリントをーー」
急いで中へ飛び込んだ利香は、周りを見ても勝負相手の菫だけが来ていないのを確認してセーフと息を吐いた。
「何の話ししてたの?」
「……昔の話ね」
それ以上は言葉を濁らせる二人に首を傾げた。



