菫は、この高校の陸上部に理事長自ら声をかけてきてくれたこともあり、推薦で入学が決まっていた。
その後、玲音も響也も推薦入学で此処に決まる。
『私たち、また一緒だね』
『もう俺らって腐れ縁どころか腐っても千切れない感じの絆だよな』
『レオ、お前まで寮に住まわなくてもいいのではないか?』
『えー。だって朝部もあるし家に帰るまでがキツイって』
『あはは。スポーツ推薦者は朝部が免除される場合があるってよ』
国体強化選手や、オリンピック候補生は無条件免除。
この学校にはそのような生徒が数多く存在しているらしい。
『楽しみね、ずっと二人と一緒なら安心だわ』
菫はそのように笑う。
その笑顔は、まるで野に咲く慎み深い菫の花の様に。
まだ走ることが出来なくなる前の菫は――名は体を表すと言った様な淑やかな可愛い花だった。
薔薇になったのはいつからだろうか。
「なあ、菫。青いバラって知ってる?」



