「俺も応援するか。――二人共の熱意に」
「そうだね。どっちが勝ってもそれは気持ちが強かったってことだもんね。負けないけど」
「利香ちゃんにかかってるからね。頑張って」
玲音も寂しげに笑う。
本音が出てしまうのもきっと彼の特徴だろう。
「俺は午後の練習試合のことで頭がいっぱいだ。相手のキャプテンの投げるフォームがどうしても、気になっている」
「気になってる?」
「綺麗って事ですか?」
二人の質問に、近衛は首を振る。
「俺の尊敬している野球選手の完全なコピーなんだ。はっきり言えば前回はそれのお陰で勝てた。コピー品は、俺達がすれば劣化する。実際にそのプロの選手が弱点だと言っていた部分を突くと――簡単に壊れて勝てた。あれは正々堂々では無かったようで心残りだった」
未だに心に引っかかる試合だったのだろう。いつになく饒舌だ。
だが、利香はその小さな疑問を尋ねずには居られなかった。
「相手の弱点ばかり狙ってチームが勝って優勝するのと、正々堂々相手の弱点も狙わず苦戦しても試合して勝つの、どっちが先輩がしたい野球なの?」



