「良かった。近衛先輩、大体三時間目前には早弁するって聞いて手ので」
「そうか。燃費が悪くてな」
「ふーん。人一倍頑張ってるからでしょ。流石近衛先輩」
「……別に。当然だ。これは食べていいのか」
既におにぎりだけでは足りなくなっていた近衛は、そわそわと利香へ聞く。
利香も嬉しそうに近衛に差し出した。
「特別に力が付きそうなお肉系をお願いしたの。メンチカツ入った揚げパンとかカレーパン、こっちはソースカツ。全部『勝つ』入り」
「受験生か俺は」
そう言いながらも近衛の顔は嬉しそうに綻んでいる。
「だが、心配りは嬉しいな」
「今朝、近衛先輩が左手庇ってた気がして。でも、利き手じゃないみたいだし大丈夫だよねと思いつつ心配で」
「そうか。それは気づかなかった」
近衛は右手でパンを食べながら左手首を振り回し、悪くないことをアピールした。



