三限目の終わりの予鈴が鳴る頃、放課後の勝負を待つ人達の顔は沈んでいた。
同じクラスなのに、視線さえ合わせない竹鶏と美音。
ずっと本を読み顔を上げない菫。
スポーツ特待生で入学して来た玲音と近衛は同じクラスだったが、どちらも今日は背中合わせで携帯を弄っている。
一つ違うのは、近衛はおにぎりを食べていることぐらいだ。
「お邪魔します~」
そんな三年の教室に入って来たのは、パンを両手に抱えた利香だった。良く見えれば、護衛なのか歩夢もドアの所に面倒臭そうに立っている。
一年が三年の教室を訪ねてくるのは珍しく、二人は利香を見た。
「いたいた! 近衛先輩、差し入れです」
賢次郎に頼んでいた両手いっぱいのパンごと歩いていき、机の上にドサドサと置いた。
「今朝以来だな、兎輝」
「へへ。先輩がライバル校と練習試合だって聞いて居ても経ってもおられませんで!」
「そうか。心配感謝する」



