三月ウサギは恋をする!?


薔薇には刺があった。

美しい花弁に容易に触れられないように、刺があった。


でもそれは、触れば簡単に散ってしまう故に、自分を守らなければいけなかった。






雪の降る凍える川に飛び込み、窓を外し、菫を助け出した近衛。


幼馴染の二人から見ても、きっと近衛は完璧で自分より優れていて、――敵わないのだと認めてしまったのだろう。




それを知らない。

誰にも言わなければ、誰も知らないのと同じことだ。

そう思わざるを得ない。






それゆえの孤独もあることを誰も知らない。