三月ウサギは恋をする!?


歩夢が体育館に乗り込むとステージのすぐ下で利香に怒鳴る。
普通の人ならば、怯えてしまいそうな迫力だが――利香は怒鳴られ慣れていて本当に良かったと奥歯で噛み締めながら頷く。

「え、だって、秘密を知ってるなら協力してくれるでしょ?」
「なんでそうなるんだよ。秘密と入部がどう関係あるんだ」
「私がお兄ちゃんの掲げる学園を理事長に認めてもらえたら――お兄ちゃんは自由になるの」

「自由に……へえ」

歩夢の表情が変わる。にんまりとほくそ笑むような悪い笑顔。


「おい、馬鹿ウサギ」

歩夢は、ステージの上の長机に並んで座っている生徒会長を睨み付けた。


黒縁メガネは生徒会長の綺麗な瞳を隠してる。七三分けになった髪型は、サラサラな髪を台無しにしている。

きつく締めたネクタイは――兄の自由を奪っていた。


「俺がお前を開放して、今度は俺に縛りつけてやる」

「なっ! 貴様!」