三月ウサギは恋をする!?


実質、陸上部と音楽部の間で部活の後、待ち合わせして一緒に帰る姿が頻繁に目撃されるようになっている。

一部では、変人だが美しいと評判の竹鶏が、二年のチャラ男の賢次郎に懸想されているとかいないとか。

美音と近衛の間にあった空気も、美音の緊張の壁が薄く小さくなっているようにも見える。


生徒会の、部活用の飼料はいつも膨大で纏めるのも運ぶのも配るのも一苦労なのだが、それを利香たちが楽しそうに走り回っているのを菫も目撃していた。



昨日は――陸上部のエース、巴を負かせたらしいと。



「菫部長に頑張っているって認められて嬉しいです。私、美音部長や竹鶏部長と勝負して気づきました。複雑な気持ちが心を凌駕するから、恋に積極的になれない、または積極的にいきたいのに行けないんだって」


「――そう。恋って繊細だものね。繊細で壊れやすくて、でも心のほとんどを占めてしまうもの」



花弁を両手で掬いあげると、香りを嗅いだ。





「では、菫部長の好きな人を聞いてもいいですか?」