朝――まだ部活生でさえほぼ居ない時間に、菫は車で校門まで送って貰いそのまま車椅子を一人で動かし、温室へ入る。
枯れた薔薇を摘み取ると、一枚一枚葉を取り、ポプリを作る準備を始める。
匂いが強く、美しい大輪の薔薇は、ポプリを作るには適していた。
――静かな一人の時間になると思い出すのは、楽しかった中学時代。
菫は生まれた時からずっと一緒に居る二人の隣が居心地がよく、いつの間にか二人に甘えていたのだろう。
どちらかが大切でも、どちらかを失いたくないほどに。
「おはようございます! 菫先輩!」
元気に飛び跳ねながら入って来たのは、最近のお騒がせ部部長の利香だった。
「おはよう。今日も頑張りましょうね」
「はい!」
ご機嫌な利香に、菫も嬉しそうに目を細める。
「最近、とても頑張っているって聞いたわ。交流会に勝負に、生徒会のお手伝いに」



