ドキドキする恋の気持ち。
毎日、誰かを思って恋焦がれる気持ち。
それは、心に秘めて本人へ伝えられず燻っているのならば、他人なんてきっと言えない。
勝負して好きな人を聞いて行って、全校生徒の好きな人を調査してそこから両思いの人物を、ペアにしていこうと利香は考えていた。
そこから余った者同士でカップルを作っていってーーと消去方で考えていた。
――がだ、今、思う。
授業中の黒板が、文字で埋められていく中、思う。
人の心を、神経衰弱のカードの様に簡単にペアにしていって消去法でカップルにしていくことの難しさ、理不尽さ、人の心を弄ぶような自分の浅はかさを。
美音部長の気持ちや、竹鶏部長の気持ちを実際に聞いてみて、それがどんなに複雑で大切で――一途なのかを、利香は分かっていなかった。
黒板を叩くチョークの音も耳に入っていない。
ドキドキが積み重なってできた気持ちを、他人の自分がどうこうしようとする大変さを。
それよりも、恋をするきっかけ作りや、周りを見る余裕が出来る交流会の方がきっと実りがあるのだろうと。



