「竹鶏部長って、昨日のファミレス恋話会でも人気者だったけど、良く分かる。今の恋する顔、とっても綺麗ですよね」
遅れてやってきたみなもも、その顔を見て頷く。
相変わらず、動作や表情は大袈裟だったけれど、真っ赤にもじもじと俯く横顔は応援したくなるような余裕の無い顔だ。
玲音への気持ちは、嘘の噂で。
それを打ち消すために大袈裟に先生を好きだとアピールしてきた。
今、初恋を前に動揺し、どんな顔をしていいのか、きっと心に頭が追いついていないのだろう。
そこは、一目ぼれしたという賢次郎が可愛らしく近づき油断させながらガンガン行くだろう。
「お昼の部室片付けは、私たち三人でしようね」
せっかく使っていいと言われた生徒会横の倉庫を部室として使わなければ勿体ない。
「ついでに――欲しいよな。顧問」
「綾小路先生は駄目かな」
「無理無理。アイツ、音楽しか眼中にねーじゃん。誰かいねーかなー」
そう言いつつ、歩夢は一人だけ顔が浮かんでいた。



