「頭脳明晰、容姿端麗、家柄――ふふ。どうでしょう?」
千昌は、おでんを置くと座り込み代わりに弁当箱を持ちあげた。
しっかり蓋を閉めていたので中身は無事なのだが、輝夜はその場から動けないでいる。
全て全てーー弁当の中身を見られてしまったような、素っ裸に剥かれてしまったような動揺を隠せない。
「容姿端麗で頭脳明晰なのに、こんなふうに穴ばかりってことが、ね。守ってあげなきゃいけないなって感じるけれど――この先どうなるんですかね、会長は」
「どうって」
「好きな人、とか」
「そんなの、利香だけだ。利香と、千昌も好きだがそれは同士としてだし、だが嫌いな奴は居ないぞ。歩夢は嫌いとかではないし」
「そんな色気の無い話は興味ありません。例えば、私は美音先輩が好きだとか、そんな感じのね」
「うーーん」
千昌に正直に言われてしまえば、輝夜はどうしていいか分からなくなる。
「誠実で、賭けごとなんかしないような人かな」
「理事長みたいなのは嫌って事ですね、分かります」



