三月ウサギは恋をする!?



土で真っ黒になった軍手を嵌めて、ブンブンと手を振ると、そのまま害虫を取り除く作業へ戻って行った。


「確かにあの子、面白いね」


「……問題児だな」


「響也が気にかけるのも分かるよ」」



時にはから回りしそうな元気さで跳ねる。

ぴょんぴょんと。


「そう言えば、さっそく恋愛部のお陰で恋が始まったらしい二人が居たから、本当に無駄ではなかったようだよ。利香ちゃん」


「あれだけやってまだ結果が出ないなら、対策や方針を変えなければいけないからな。無駄ではないならそれが良い方向へ進んでいるのだろう」

響也は表情を変えずに黙々と青の絵の具を塗っていく。


だが、菫と響也の仲を一番よく知っている玲音にとっては、利香を気にかける響也の言動をハラハラした面持ちで見ていた。


響也を信用している、菫を悲しませることはしない。

分かっているが――響也の目は菫よりも利香と一緒に居る時の方が穏やかだった。

それが、玲音には辛い。