土で真っ黒になった軍手を嵌めて、ブンブンと手を振ると、そのまま害虫を取り除く作業へ戻って行った。
「確かにあの子、面白いね」
「……問題児だな」
「響也が気にかけるのも分かるよ」」
時にはから回りしそうな元気さで跳ねる。
ぴょんぴょんと。
「そう言えば、さっそく恋愛部のお陰で恋が始まったらしい二人が居たから、本当に無駄ではなかったようだよ。利香ちゃん」
「あれだけやってまだ結果が出ないなら、対策や方針を変えなければいけないからな。無駄ではないならそれが良い方向へ進んでいるのだろう」
響也は表情を変えずに黙々と青の絵の具を塗っていく。
だが、菫と響也の仲を一番よく知っている玲音にとっては、利香を気にかける響也の言動をハラハラした面持ちで見ていた。
響也を信用している、菫を悲しませることはしない。
分かっているが――響也の目は菫よりも利香と一緒に居る時の方が穏やかだった。
それが、玲音には辛い。



