「恋愛と部活の両立も出来ないのか、ばかー!」
「先輩に向かって馬鹿とは何事か!」
「べーっ」
利香があっかんべーとすると、玲音はケラケラ笑い、近衛は手をわなわなと動かす。
そのまま羽交い絞めにしようとすれば、利香は小さな身体を生かし、するりと逃げた。
「でもいつか、近衛先輩にも勝負挑むもん。絶対勝つような、とっておきの策を練ってから」
「野球関連の勝負ならば、素人相手でも敗北は許されん。全力で行く」
「だよねえ。絶対ラスボスだもんね、近衛先輩って」
利香は部活の作業を再開しようと手に小さなバケツを持つ。
バケツには青虫が何匹も入っていて、玲音が目を閉じて後ずさる。
「ってか何気に利香ちゃん酷いよね。近衛はラスボスでも俺には勝負挑むって事は俺は下っ端扱いだ」
「違いますよ。レオ先輩は――いつも笑ってるけどそれってきっと余裕があって満たされてるからなんだろうなって思ってます。きっとこの人、色々考えてるなって分かってますよ」



