「おーい。あれ? あれ??」
遅れて登場してきたのは、バイトを終わらせて速攻で戻って来た賢次郎だった。
「竹鶏部長、待ってよー。その腹筋、一目ぼれしちゃったんだからー」
可愛い顔で追いかけていく賢次郎は、ちらりと緑川と菫を見て、何か違和感を感じたのだろう。
首を傾げたのち、そのまま竹鶏を見失わないようにファミレスに入って行く二人の元へ駆けていく。
「お疲れ様です。三年は今部活が佳境ですね」
コンビニ帰りの生徒会長、輝夜の手には栄養ドリンクがいっぱい入った袋がぶら下がっている。
「お、菫文化部長、携帯落とされてますよ」
「会長さんもお疲れ。アンタの妹、陸上部には顔出してくんないんだけど」
輝夜は携帯を菫に渡すと、そのまま緑川と話しながら校舎の方へ向かっていく。
それを菫はやはり笑顔で見ているだけだった。
鳴らない携帯を握り締めて。



