「結局枚数は私が一番取ったんだから、教えてもらうよー」

部活後、話が盛り上がった音楽部とみなもと利香と引率で綾小路先生までドリンク飲み放題のファミレスに来ていた。

利香が神経衰弱は勝利したが、もう音楽部は恋話で盛り上がりそれどころの状況では無い。
6人テーブルで、男女がこそこそと恋の話で盛り上がる。

普通の光景ではあるかもしれないが、あの学園では新しい一歩だと感じる。



音楽部の窓からは陸上部の練習がよく見えるらしく、片思いの相手は、音楽部は陸上部が多かった。


そこに、女の子だらけの部活とのファミレスでの恋話と聞いて、歩夢が参加しないわけはなく。

意気揚々と女の子の輪に入り、会話を盛り上げていた。


いつの間に合流したのか利香でさえ気づいていなかった。



「全く。あと30分で寮の門限なのに、高梨くんは門限に間に合うのでしょうかね」

クスクスと拳で口元を隠しながらも、先生は注意しようとはしない。