「落ち着けって。噂なんてどうせすぐに消えるだろ? そんなの気にすることないって」
「音楽部部長とレオ先輩の噂って結局噂なんですね」
先ほどまで近衛が眠っていたベンチに竹鶏は座りこみ、しくしくとまだ泣いている。
玲音は面倒くさそうに頷くと、竹鶏の隣に座って背中の支えに寄りかかる。
「そ。竹鶏は先生が好きなのに、俺とカラオケ行ったのを目撃した誰かがそんな馬鹿みたいな噂してんの。でもこいつが好きなのはどうみても先生だろ? 馬鹿げてるっての」
「違うの。ちがっ。私、先生を心から尊敬し崇拝しているけど、それは恋の『好き』じゃないの。無かったの」
「まじ?」
流石の玲音も知らなかったらしく、声が裏返る。
だが、竹鶏も落ち着いて、美しい顔から涙を流しつつ頷いた。
「貴方との噂を早く消したくて、先生へ大袈裟にアプロ―チ始めたの。理由は簡単よ。先生なら、生徒と一線引いてくれるからきっと叶う事は無いでしょう?」
消したかった為に、玲音とカラオケに行って日にちも浅い時点で先生へアプローチすれば、確かに噂通り三角関係だと思ってしまうかもしれない。



