三月ウサギは恋をする!?


大きなアーモンドアイから大粒の涙を流し、座りこんでいる女子生徒は、空を見上げて大声で泣いていた。

綺麗でよく透き通る声で、悲しく泣いている。


「どうされたんですか?」

「もう、もう、――限界だわ。酷いわ。あんまりだわ。私が一体何をしたのよ!」

芝居掛った口調で、その女子生徒は泣いている。

「竹鶏」

騒ぎを駆けつけてやってきたのは、玲音だけだった。

噂になっていた――玲音だ。



「えっと、もしかしなくても音楽部部長さん?」


「ああ。竹鶏はコーラス団体の部のリーダー。ってか、何? 何があったの?」


駆けよって手を差し出した玲音に、竹鶏は首を振る。




「貴方が私に優しくしては駄目よ。駄目。――噂が絡みついて消えやしないの」

「噂なんて俺は気にしないし。クラスメイトを心配しちゃいけないわけ? 変なの」


無理矢理腕を取り立たせると、竹鶏は咳を切ったかのように泣きだす。

その声は、良く晴れ渡った空に届き、道路を挟んで向こうにある第二運動場まで響き渡ったに違いない。


音域も音量も素晴らしい。


「でも噂が」