「あの、近衛部長に聞きたいことが」
「何だ?」
「菫先輩とは幼馴染みなんですよね?」
利香は慎重に言葉を選ぼうとした。
だが、近衛と玲音はその言葉に固まり明らかに雰囲気が重くなった。
利香でさえその重苦しい雰囲気に二人の顔を交互に見るほどだ。
「わ、私、何か駄目でした?」
「あ、いや、別に。幼馴染みだよなー、近衛」
「……そうだが、それだけだ」
「は?」
「俺たちは幼馴染み。ただそれだけだろ」
近衛が短く吐き捨てれば、玲音の顔色が悪くなる。
悪くなると言うより不機嫌というのか。
「近衛、お前それは違――」
玲音が近衛の肩を掴もうとした時だった。
甲高い、大地を切り裂くような叫び声。
それが叫び声ではなく泣き声だと気づいたのは利香だ。
利香は兎のように飛び回ると泣き声の元へ駆け寄った。
「どうしたんですか?」



