ロングトーンはアナウンサーでも1分を越えるのが難しい。
オペラ歌手でも二分出来る人がいるのか。
水中で息を止める最高記録が8分だと言われていても、声を吐きだし息を吐き続ける行為と、息を吸うのを我慢する行為は違う。
一時間、息継ぎなしで楽器をトランペットを演奏した人が過去に居たが、それは鼻から息を吸うのと口から息を吐くのが同時に出来る人故だったらしい。
「--っ」
「――っ」
二人が息を吐き続ける中、綾小路先生の目線はみなもの方へ向けられた。
みなもはその視線に気づくと、目を閉じて澄ました。
遮断するかのように、はっきりと拒絶を表しながら。
その瞬間、歓声と共に賢次郎が後ろへ思い切り倒れ込み、竹鶏が跪いた。
結果は――。
「引き分けですね。同時に二人とも倒れちゃいましたよ」
「い、一分25秒です!」
ストップウォッチで測っていた二年が驚いて目を見開く。
「はあはあ、嘘よ! 私がちゃらちゃらと遊んでいる人に負けるはずないわ!」



