「お前は楽しくないの? あ、もしや青春の風物詩、世間への反抗期真っ只中系?」
「ちげーよ。反抗期じゃねーし。チャラい方が女の子と気軽に話せるし――誰も本気で口説いてるとは思わないだろ」
むくりと起き上がりながら、口の中のパンを全部飲み込んだ。わさと音を立てながら、ごくんと。
「 毎日見ていた日常が――幼馴染みだからとノックせずに入った扉の向こうでは全て嘘だったりするんだよ」
「何の話?」
「俺が暴いてやりたい秘密の話」
髪を掻き上げながら、歩夢の目は何処か遠くを見ていた。
誰にも知られたくない輝夜の秘密。
それに気づけたのはきっと歩夢が幼馴染みだからだけではない。
深層心理のさらに奥。
もっと奥に眠る気持ち。
それが歩夢にはあったから、だ。



