「じゃあ私は一人で行くので」
「おい、それではお前が―……」
「きゃっ」
ぴょんと跳ねて助走をつけようとした利香は、後ろからふわりと抱き締められた。勿論、硬派な近衛の仕業ではない。
直ぐに利香の鼻を太陽の下、よく干されたお布団みたいな匂いがくすぐった。
「何でお前が此処にいんの?」
キラキラと太陽に輝く髪は金髪。
じゃらじゃらとした装飾品に、ピアス。
後ろから抱き締められ顔の確認ができなずとも分かる。
この声は歩夢だと利香は直ぐに気づけた。
「歩夢くん!?」
「おい、ウサギを離せ!」
近衛にひょいと奪われて利香は荷物のように軽々と肩に担がれる。
「近衛さん、歩夢くんは幼馴染みだから大丈夫です」
「幼馴染み?」
「俺の足を思いっきり踏んで逃げたのがお前で良かったわ。男だったらボゴってた」
金髪の髪を掻き上げて、太陽みたいに笑う歩夢は利香の思い出の中と何一つ変わらない格好良いままだった。



