「でも負けないんじゃない? 私も健次郎先輩も音楽は得意だし」
のんびりとマイペースに言いながら、みなもは全く緊張している様子はなかった。
利香も自分が居ない場所での勝負は悔しかったが、棚からぼた餅、なのかもしれない。
サッカー部の玲音先輩と綾小路先生と竹鶏先輩の三角関係の謎に近づける。
「じゃあ音楽部は任せて、歩夢くんとサッカー部に勝負挑もうかなー」
「ねえ、利香」
ふと教科書を取り出しながらみなもが止まる。
右上に視線を向けて何か考えながらも、ふに落ちなさそうな微妙な顔をする。
「どうしたの?」
「綾小路先生って何処かでお会いしたことあるかしら?」
「綾小路先生なら、学校説明会に居たかもよ」
「そうじゃなくて――例えば……うーん。例えばが浮かばないけど、何か面識あるかなーとか」
「私は知らないと思う……」
向こうが知っている事はあってもだ。



