三月ウサギは恋をする!?


「今、何か言いました?」

「いーえ。何も」

先生が綺麗に笑って誤魔化すと、みなもは怪訝そうに眉を潜めた。

「先生はもう少し筋力付けて、お腹から声を出した方がよくありませんか?」

「え、それは初めて言われたなあ」

「私的には、体重も30キロ増えて、筋肉が増えていた方が眼福です。殿方はやはり、文系よりも汗を流す運動部が素敵です」


とうとう窓に貼りついて、みなもはラグビー部のストレッチに魅入る。

みなもの兄も父も、見目麗しいが細身で頼りなさげで、兄とみなもは貧弱で体力も無い。


父親の実家の軍願寺は、1000段ある階段の山の上。

その昔、その階段を上がり、宅配便を届けにくる宅配員の男らしさに感動したのが、筋肉フェチの始まりだとか。

今までに見たこともない、感動と高揚をみなもは今も胸に抱きしめている。


「じゃあ、先生が君の記憶に残らないのは仕方が無いことですね」