「分かった。でも、誰にも言わないって誓ってね」
「了解です」
美音は大きく深呼吸してから、後輩全てに声をかけた。
「私と兎輝ちゃんに目隠しして」
「はい?」
言われたとおり、二人に新しいタオルを倉庫から持って来て目隠しした。
「私たちに部室にある一番複雑な形のモノを持って来て、手のひらに乗せてちょうだい」
「分かりました!」
美術室にあるものは、美音は熟知している。
手のひらに何を乗せてもきっと気づいてしまうだろう。
圧倒的に美音の有利な勝負の中、利香は何が始まるのかわくわくしていた。
「今から触るものを、どちらが目隠ししてより精密に同じものを作れるか勝負だよ」
利香の手のひらの乗せられたものは、形は丸く先に小さな紐の様なものがついていて、複雑に表面が削られ模様が描かれていた。
「わー。なんだろ、でも、この匂いは蝋?」
「蝋だね。一年生の選択美術で作るアロマアートだね」



