春恋。

授業も進んでいき、今は昼休み。

やっぱりモテるようで、橘くんの周りには女子だけでなく男子もいる。
他クラスの人も顔を覗かせている。

人気者だなぁ…。

「桜羅!!お弁当食べよ!」

「うん。」

葵も人前に立つような人気者なのに、いつもこうして私とお弁当を食べてくれる。
葵がいるだけで、寂しさが吹き飛ぶ。

たわいな話をしながら食べる準備をしていく。

「あっ、桜羅ちゃん葵ちゃん。
僕達も一緒に一緒にお弁当食べてもいい?」

えっ…私たち?
皆からお誘い受けてたのに…。

「全然大丈夫だよ!桜羅も大丈夫だよね!」

葵の純粋な笑顔は断れない…
それに、2人のこともっと知りたい…。

「うん。大丈夫…だよ。」

「やった!ありがとう。
青空もこっちこっち!」

「おう。」

4人で机を固めてお弁当を食べ始める。
些細なことで盛り上がって
楽しいって思わせてくれる。

皆の視線を浴びてても
不思議とこの4人でいると落ち着く。
昔から一緒に居るような…ってそれは無いか。

でも今は、友達…になりたい。
最後は悪者になるから。

だから、今は笑いたい…。
私にはそれさえも許されないのかな。