澪君は砂糖とミルクまで付けて、淹れたてのホットティーを私の前に置いてくれた。
「本当にいいんですか?私なんかが」
今更だけれど、私は少し不安になる。
「いいのいいの。だって、ライブの帰りに野宿なんて可哀想だもんね」
右手をひらひらと振りながら澪君は照れ臭そうに笑っていた。
「それに俺、明日休みだし。
そうだ!いつも応援してくれてるお礼にどこか出かけようよ。あ、でもまずい?」
とろんと眠そうな瞳が私を見つめる。
これ、本当は私の妄想の世界なんじゃない?
そんな疑惑が沸くくらい話がうまく運びすぎている。
私に断る理由なんてない。
「あの、澪君が迷惑じゃなければぜひ…」
ぺこりと頭をさげる私。
澪君はよっしゃー!と嬉しそうに手足をばたつかせている。
「せっかくの休みなのに俺、ひとりぼっちだったの。
蒼君はドラマの撮影だし、春と悠もラジオでさ。だからちょー嬉しい」
少し寂しそうに話す澪君。
テレビの外でも、Shootingは仲良しなんだなぁ。

