「な、夏村…ひ、ひひ紘那ですっ」 緊張のあまり声が震える。 だって大好きな人だもん。 画面越しでしか会えない人だもんね。 「可愛い名前だね」 澪君の笑顔は雑誌より何十倍も格好いいことを知る。 「あ、ありがとうございます」 私は紘那と名付けてくれた父に、大好物のさきイカを買って帰ることを心で約束した。