……友達。
俺は止めようとする蒼を遮って、扉を開けた。
ギィッという音に、倉持と、倉持と口論をしていた男がこちらを振り返る。
あぁ、やっぱりそうか。
信頼してたのに。
…………望。
大学での親友で、彼は芸人、俺はアイドルに…それぞれの夢を叶えるため、励ましあってきた仲だった。
「みっくん…」
望の顔はだんだんと表情というものを失っていった。
「なんで、こんなこと」
力なく俺が呟くと、望は、蔑むような目で俺を見つめた。
「腹立つんだよ。有名になって、活躍してるのに、調子乗って彼女つくって遊んでるのが。
俺は努力しても努力しても、行きたい場所に行けない。」
「おいっ!」
蒼が望むの話を遮った。
俺は今にも掴み掛かりそうな蒼を抑え込む。
「お前、澪が今までどんだけ苦労してきたのかを知ってて言ってるのか!?
俺はずっと澪を見てきた。
アイドルとして、思うようにいかなくても、澪は僻みも諦めもしないで、いっつも笑顔で頑張ってきた。そんな人間が、報われて…幸せになって何が悪い!!!!
少なくとも、お前なんかに澪の幸せが壊される筋合いはない!!!!」
蒼は見たこともないような怒った表情で、冷たく言葉を放った。

