テレビの向こうの君に愛を叫ぶ


「よく言われるんです」


そう言って元の姿勢に戻った澪君は私の方を見て、にっと笑った。


「うわっは、あははははははっひひっ、ひ、うひひひひひひひひっっ」


私は思わず吹き出した。
だって、澪君は顎を前に突き出して、しゃくらせていたから。


「ちょっと待って、笑い過ぎ!!」


コツンと私の頭にぐーを落とす。


「ごめんごめん、だって」


私はひーひー言いながら弁解する。
すると澪君の手が伸びて来て、綺麗な指が、私の目に浮かんだ涙をそっと拭って戻っていく。


「泣くほど笑うって結構ひどいからね?」


眉を八の字にして困った顔で笑う澪君がなんだか可笑しくって、私はアトラクションの順番が来るまでくすくす笑いが止まらなかった。