「あ!いた!!!」


特別棟から外へ出た時、紗乃が私のところに飛んできた。


「もー!!ずっと探してたんだからねっ……て、どうしたの?」


紗乃の顔を見て、さらに涙があふれる。


「さぁぁのぉぉぉぉぉ」


私は紗乃に抱きついて泣きじゃくった。
紗乃は何も聞かずに、私の背中を優しくさすってくれた。


「落ち着いた?」


「うん」


仮設のベンチに並んで座った私たち。
紗乃は、私の嗚咽が引くのを、辛抱強く待ってくれていた。