テレビの向こうの君に愛を叫ぶ


頭上に感じた気配に上を振り仰ぐと、色とりどりの風船が真っ青な空を彩っていた。


「夏村さん!これ!!」


突然肩を叩かれて振り返った私に、クラスメイトは遊園地で見るような、ふわふわ浮かぶ風船の紐をくくりつけた厚紙を私に手渡す。

こんなの作ってたんだ。すごい。

私は空を飛べてしまいそうなくらいたくさんの風船を、逃してしまわないように慎重に受け取った。


「これで集客よろしくね!Shootingの澪君!」


お茶目に笑いながら私の肩を叩くと、クラスメイトの女の子は屋台の下に戻っていった。

なんだかいい役をもらった気がして、私はスキップがちに歩き出した。

私の動きに合わせて大量の風船がゆらゆら揺れる。
なんか私、すごくメルヘンチックじゃない!?


私は自分のクラスの宣伝をしながら風船を配り歩いた。
優しい冬の陽射しでからだもぽかぽかして気持ちいい。

たまに頼まれる写真撮影のサービスにも答えながら私は仕事を楽しんでいた。