テレビの向こうの君に愛を叫ぶ


冬空の綺麗な日。
花火の音と共に、文化祭は始まった。

いつもより高く感じる空を見上げて、大きく息を吸い込む。
心の中が換気されるようだった。

私たちのクラスはベタな焼きそば屋さん。

「おしゃれかき氷」も売っているが、これも普通のかき氷にアラザンやナッツを飾っただけのもので、面白味なんて1つもない。
そもそも、こんな寒い日にかき氷を売ること自体に無理がある。

まぁ、唯一面白いことといえば、お客さんの呼び込みに、クラス全員がそれぞれ仮装をしているところだろうか。

私は澪君がライブで着ていた猫の衣装。
もちろん全部手作りだ。


「よっ!!!」


どんっと後ろから、ずっしりとした重い何かがぶつかってきた。


「なに!?」


あ、なーちゃん。

なーちゃんが少し大きめのカバンを私にぶつけたのだった。
今日は特に、メイクもバッチリで本当に可愛い。