テレビの向こうの君に愛を叫ぶ


私はその後、澪君のこともしっかり3連敗させると、今度は5人で一緒にできるアクションゲームをやり始めた。

様々なキャラクターの中からなーちゃんとのバトルで使い慣れたものを選び、いざ勝負に繰り出す。
もちろん、負け知らずの私は何度やっても勝ち続けた。

途中、澪君はゲームから抜けると、私が買ってきたケーキを切り分けて、おしゃれな白い皿に盛り付けて運んできた。

あの日飲んだものの香りと全く同じの紅茶も一緒にテーブルに並べられた。


「紘那からのお土産」


澪君は紅茶の砂糖とミルクを用意しながらそう笑った。


「これ、澪ちゃんが好きなケーキじゃん!」


蒼君がぽんぽんと澪君の肩を叩く。

もう一度、キッチンに戻り澪君が持ってきたのは、私が買ってきたポテチとチョコレート。

澪君は、「これも紘那から」と言いながら皿にお菓子をあけると、春翔君が目をキラキラと輝かせていた。


「紘那ちゃん、さては『pop'n room』の2月号読んでくれはったんやな?俺らが喋っとったお菓子やもん、これみんな」


私は素直に頷いた。
春翔君は嬉しそうにポテチを1つ摘んで口に運んだ。


「Shootingが出てる雑誌を見つけると、ついつい買っちゃうんです」


私はえへへと髪をいじりながら言った。
買った雑誌は、私の部屋の「神棚」に発行順に並べてある。
Shooting博覧会を開ける勢いだ。