テレビの向こうの君に愛を叫ぶ


私の目をしっかりと見つめながら澪君は言った。

相変わらず潤んだ瞳が揺れている。

私の脳内は完全にパニック状態で、うまく返事ができない。


夢なんじゃないかと頬をつねる。
おかしいな、目が覚めないや。


「嘘…でしょ!…やだなぁ、リアルな冗談やめてよぉ」


私は視線をあちこちに彷徨わせながら笑う。
精一杯の反応だった。


「嘘じゃないよ」


澪君は静かにそう返した。


「返事は今すぐじゃなくていいよ。
俺と付き合うってことは、普通の恋愛はできないってことだから…周りに隠さなくちゃいけないし。」


澪君は少し早口で告げると、「みんなのとこに戻ろっか」といって、じゃれ合うメンバーの中に戻っていった。

私も後に続いたけれど、さっきの感触と言葉が頭を離れなかった。