『俺だけど』 え、本当に誰? オレオレ詐欺?まさか。 「私に息子はいませんが」 私の空っぽの頭は電話の相手をオレオレ詐欺だと確信した。 『知ってるわ!』 ノリのいいオレオレ詐欺さん…て、え? 「もしかしていくまる?」 タオルで髪を拭く手を止めて私は間抜けな声を出す。